『0歳からはじまる オランダの性教育』性教育は生まれたときから始まっている!

子育て
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ヨーロッパの良質なおもちゃにはいつもかなり助けてもらってますが、今回は性教育です。

個人的には性教育はとても大切だと考えています。だけども、日本で育ったのでどこからどんな風に性教育を始めたらいいのか、まだまだ手探りです。そんな中で、たまたま手に取った本『0歳からはじまる オランダの性教育』があまりにも素晴らしかったので紹介します。

性教育は0歳から?!オランダの性教育事情

日本で思い浮かぶ性教育とは、どんなでしょう?

中学生のある日、男女が分けられた教室で先生から一方的に聞かされる、たった1回の保健の授業ではないでしょうか。

オランダでは、なんと0歳から性教育がはじまります。それも1回ではなく、年齢に応じて繰り返し繰り返し丁寧に行われます。以下が年齢別に定められたカリキュラムの一例です。

0-4歳・性器を含み、体の部位の名称を言える
・鏡や写真でどれが自分かを言える
・赤ちゃんがどこからくるかをおよそ言い表せる
・快い接触と不快な接触を認識できる
4-6歳・性器を含み男の子・女の子の違いを言い表せる
・さまざまな種の恋愛関係を言える(異性/同性など)
・いろいろな家族構成があることを言える(異性/同性など)
・誰でも自分にしたい/したくないことのボーダーラインがあることを認識する
6-10歳・男性器と女性器の機能について言葉で言える
・結婚/同棲/別居婚/離婚の意味を説明できる
・妊娠がどのように起きるかを言える
・「ノー」の感情を様々な形で表現できる
10-12歳・性器の衛生管理の仕方を言い表せる(月経や射精などの際)
・自由なパートナーの選択の権利とは何かを説明できる
・性的接触は必ずしも生殖を目的としてるとは限らず、悦び/快さの為であることも言える
・安全なセックスと危険なセックスの違いを言える
・現実におけるセックスとメディア上のセックスの違いを言える
12-15歳・処女膜に関する事実と迷信を言える
・受胎可能性と不妊症について理解を深める
・セクシャリティについて自分自身がどこまで準備できているか説明できる
・外見/身体/ジェンダーの問題に関してどのように助けを求めればよいかを言える
15-18歳・子供を持つとどんな責任が生じるかをあげられる
・コンドームの使用を他者に説得するうえでの根拠を上げられる
・性体験、性行動、性的指向性における相違を認めている
・どのような性行動が処罰の対象になるかを言える

性教育とは、一度とってつけたように仕組みを教えるだけでは、到底理解できることではないとよくわかります。

性教育で大切にしていること

日本で性教育と言えば、主に生殖について教えられるだけですが、オランダは違います。

まずは、自分の身体の仕組みをよく知ること、家族の関係性を理解することから性教育を始めます

「NO」を言える教育

オランダの性教育で重要視されてるのは、どんな状況でも自分の気持ちと向き合うことです。

自分は覚えてない昔の近所のおばさんからキスを求められる時

家に来たおばあちゃんの頬ずりやキスが過剰な時

大切にしてるボールを近所の男の子に貸してと言われる時

お医者さんごっこをしている時

自分が不快に感じても「いやだ」と言いにくい状況は日常に転がっています

どんな時でも自分と向き合い「NO」を言えることを教えるのが性教育でいちばん大切です

性教育の弊害

早期性教育を日本が避ける理由はなんでしょう?

「臭い物に蓋をする」文化がある日本では、寝てる子を起こすようで、性の知識を教えることで不要な性交渉が起こることを恐れている雰囲気があります。ですが、オランダの早期性教育では逆の現象が起きています

WHOのヨーロッパ支部で5年ごとに調査する15歳の性交渉体験率で、オランダは40位中36位と思っているよりも低いことがわかります。他方、コンドームの使用率に関しては3位なのです。

性教育の本来の目的である、未成年の望まない妊娠や中絶の可能性が極めて低くなる順位だと思いませんか?

ネットでなんでも手に入る時代

親や教師がいくら性から子供を遠ざけても、今やいくらでもネットで情報を手に入れられます。しかし、ネットで手に入るのは、歪んだ性の知識ばかり。それが正しいか間違ってるか、教えるのは大人なのです。何も知らずにネットからしか学んでなければ、それこそ危険な状態になりかねません。

多様性を認める

性教育は、主に異性間恋愛をメインに進むことがほとんどです。しかしオランダでは、LGBTに関する教育も同時に行っていきます。同性婚が認められているので、生徒の親が必ずしも異性とは限らないのです。また、自分のジェンダーについて悩む生徒が孤立化しないよう、配慮を持った教育もなされます。

0歳から性教育を始めることで、多様性を認められる人に自然と成長していけるのですね。

自立すること

日本で自立と言えば、なんでも一人でできることをイメージしますが、オランダでは、自分がどこまでできるかを認識することが自立と言えます。困った時にちゃんと「助けて」と言える、嫌なことはハッキリ「ノー」を言えることを身に着けるのがオランダの性教育の根源と受け取りました。

「オランダの性教育」はわたしのバイブル

ヨーロッパに滞在していた時、みんな自分の意志がハッキリしているのは国民性だと思っていました。ですが、親や学校が努力して教育した賜物なんだとこの本を通して知りました。

性教育だけでなく、オランダの教育の興味深い部分にたくさん触れていて首がもげるほど頷いたこの本は、間違いなくわたしのバイブルとなりました。年齢が変わるごとに何度も読み返したいと思います。

ima
ima

むしろオランダに引っ越そうと思います

otto
otto

・・・・・。

それではまた!

コメント

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